現在はインターネットを利用して、ショピングサイトから海外製品のトランシーバーを簡単に入手することができます。しかしこのさいに気をつけないと、思ってもいないことで罰則の対象ともなりうることを知っていますか?
■なぜトランシーバーは誰でも使えるのか?
特定小電力トランシーバー、通称「特小」は、10mv以下というとても弱いの出力で通信を行うので、使用するさいにはこれといった免許や資格などは特に必要ありません。
では、なぜ出力が強いと免許が必要となるのでしょうか。
現在の日本社会では、多くの無線機が日々の生活に使われています。もし1W以上もある高出力の無線機を誰もが好き放題勝手に使いはじめると、これらの機器に重大な影響を及ぼしてしまい、社会的に大きな問題となってしまうのです。
携帯電話やテレビ、ラジオなどの電波障害はもちろん、たとえば救急車やパトカーに用いられている消防無線や警察無線がそれによって混乱させられてしまったらどうなるでしょう。火事や急病のさいの人命救助が遅れ、また事故を引き起こすなどして多くの人命が失われる結果ともなりかねません。さらに医療現場ではさまざまな医療機器が用いられているので、それに対する影響も考えられます。
このような事態を防ぐため、違法電波は取締の対象となっているのです。
■海外製のトランシーバーは取締りの対象になりうる
アイコムやアルインコ、ケンウッドなどの国内で販売されているトランシーバーは、出力が低く抑えられ、飛距離もせいぜい500m~1kmほどしかありません。しかし、ミッドランドやモトローラ、ベルソウスといった海外製品では日本とは規格が違うため、出力が1w以上で飛距離も10~50kmという長距離に渡るものが多くあります。
このような製品を使用すれば当然、先ほど言ったような電波法違反となって処罰の対象となってしまうのです。
現在では取締も厳しくなっていて、高性能の探知機により違法電波を使っていればすぐに見つかってしまいます。
実際に無線機局の妨害などをしていなくても、罰金100万円以下あるいは1年以下の懲役。さらにもし公共性の高い無線局を妨害してしまえば、罰金250万円以下あるいは5年以下の懲役となってしまいます。けっして軽い罪とはいえないでしょう。
■使ってはいけないトランシーバーを見分ける方法
日本国内で使用が認められている機器には、技術基準適合機器、いわゆる「技適マーク」が印字されています。これさえ付与されていれば、トランシーバーは本来誰でも使ってよいものなので、安心して使うことができます。
また、これらの機器は総務省のホームページから「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で調べることもできます。
安価で電波が遠くまで飛ぶからといってむやみに海外製品に手を出すことなく、思わぬ事態におちいってしまうことのないよう気をつけましょう。